TAKEHIKO SANADA SANADA SUTUDIO inc.

十日町文様
十日町市(新潟)大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
 
2012

数千年前、この土地の人々は、麻から繊維をとり、繊維を捩って糸をつくり、糸で土器に文を絵描き、土で 螺旋を造形し、幸せを願い育んだ。
私は10年間にわたり、十日町で多くの人と出会い、縄文土器をはじめとした地域に継がれてきた文化財、伝統芸能、古代の人々が神への祈りとして捧げた絵図や染織など、地域の暮らしから生み出されてきた文物に触れてきた。そして、数千、数万の人々の営みが重なり合った痕跡の上に一枚の薄い麻布を乗せ、そこに滲み浮き出されてくる淡い文(アヤ)を読み解くように、この地の人の営みの内に秘められた生命のエッセンスを、この地の人々とともに探し続けている。
文様、それは滲みだす人の営み、太陽、月、土、雪、水、山の風、稲、人、言葉、そして、私。

十日町文様プロジェクト 6つの活動
1. 伝統文化再考 :十日町市博物館との取組み
2. 伝統技術振興:アンギン伝承会との取組み
3. 非日常時支援:プレファブコート・ライス十日町制作
4. 社会貢献・支援:非常時備蓄品を市施設等に進呈
5. 地場産業との活動:十日町織物工業協同組合との連携
6. 市街地振興:本町四町目商店街との取り組み

造形作品
「からむし唐草」、「あんぎん葉」展示
十日町市博物館収蔵の縄文土器の圧痕・火焔型土器の造形模様から考察を重ね、麻糸を素材に立体造形作品「からむし唐草」を制作。造形作品と構成した「あんぎんの葉」は、越後アンギン伝承会にご協力いただいた。

デザイン作品
「プレファブコート・ライス十日町」展示
「プレファブコート・ライス十日町」は、造形作品「からむし唐草」を原点にした、非日常に使用できるデザインプロダクト。これらはこの数年、多くの災害に見舞われた十日町の人々の"もしも"という際に「心のよりどころ」となるようなものとして使用してもらうため、十日町地域のいくつかの施設に進呈し、備蓄品とした。